桜井線帯解(おびとけ)駅から徒歩30分ほどの所にある尼寺。
「天人五衰」の大団円で本多繁邦が最後に訪れる「月修寺」のモデル。
「春の雪」のヒロイン綾倉聡子は松枝清顕との悲恋の末、月修寺に入って剃髪し尼となる。清顕の死後、彼の友人である本多繁邦は、清顕の生まれ変わりを探し求め、飯沼勲(「奔馬」)、ジン・ジャン(「暁の寺」)、安永透(「天人五衰」)を見つけ出す。老残の身となった本多は、やがて月修寺を訪れ、門跡聡子との面会を求める。三島由紀夫の最終作『豊饒の海』の最後の舞台に選ばれたのは、夏の日を浴びて寂寞としている円照寺であった。
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