没後五十二年「憂国忌」のご報告

令和四年十一月二十五日(金) 午後二時
星陵会館大ホール

総合司会 佐波優子
講演一 演題:三島由紀夫と石原慎太郎―国体と国家をめぐって―
       富岡幸一郎(鎌倉文学館館長)
講演二 演題:三島由紀夫と石原慎太郎から見る、戦後日本への視座の変革
         西村幸祐(評論家)
閉会の辞:松本徹(前三島文学館館長)

 第52回憂国忌は三島ファンの皆様にお楽しみいただけるような企画を考え、その一環として令和4年2月に89歳で逝去した石原慎太郎氏を比較対象にした2講演を盛り込みました。
 鎌倉文学館館長・富岡幸一郎先生による「三島由紀夫と石原慎太郎─国体と国家をめぐって─」は、初期の石原作品が人間の本質的な感情を表現し、その点を三島が高く評価していたことや、石原にとって国家との帰属意識がどう作られたのか、といった内容を溌溂たる口調で解説したものでした。
 また、評論家・西村幸祐先生による「三島由紀夫と石原慎太郎から見る戦後日本への視座の変革」は、両者が戦後日本の言論空間と異なる場所から誕生し、未来を予見する力を持っていたことや、戦後日本国家を擬制と捉える点で同じ位相に立っていたことを指摘しました。
 この二つの講演はまさに含蓄に富む内容であったと言えます。

菅谷誠一郎(三島由紀夫研究会事務局長)



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